医療法人水ノ江医院 内科・小児科・皮膚科・血液内科・緩和ケア内科

お知らせ

血圧はなぜ上がる?

健康診断で必ず行われる血圧測定。
測定すると上と下の数値が出てきます。
これってどういう意味があるのでしょうか?
家の血圧は良いのに病院で測ると高い・・・という人も多いです。
これって大丈夫なんでしょうか?
今回は血圧に関して考えてみたいと思います。

 

「血圧」とは血管内の血液が血管の壁を押す力のことです。
一般に心臓から全身に血液を送っている動脈での力のことを指します。
「上の血圧」は収縮期血圧で、心臓が縮み、血液を送り出した時の血圧です。
心臓から押されるので、血圧は高くなります。
「下の血圧」は拡張期血圧で、心臓が膨らみ、血液を取り込んだ時の血圧です。
心臓から押されていないので、血圧は低くなります。

 

「高血圧」とは、血圧の値が高いことです。
日本の基準では収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上が高血圧ということになります。
血圧はなぜ高くなるのでしょうか?

 

袋に物を入れる時の事を考えてみましょう。
袋は血管、袋の中身は血液を表します。
袋に無理やり物を押し込むと、袋に負担がかかります。
つまり、心臓の収縮力が強いと血圧が上がります。
運動した後に血圧が上がるのはそのためです。
袋に物を沢山入れていくと、袋はパンパンになります。
つまり、血液の量が多いと、血圧が上がります。
塩分を摂りすぎると血液の量が増えて、血圧が上がります。
硬い袋に物を詰め込むには力が必要になります。
つまり、血管が硬いと、血圧が上がります。
加齢や生活習慣で動脈硬化が進むと、血圧が上がります。

 

冬になると血圧が上がる人がいます。
要因はいくつかあり、
・体温を逃がさないように血管が縮む
・食欲が増し、塩分摂取量が増える
・汗をかきにくい
・寒さから運動不足になりやすい
などが考えられています。

 

上の血圧が上がる人、下の血圧が上がる人ではどのような違いがあるのでしょうか?
上の血圧には心臓の収縮力、大動脈の硬さが影響しています。
動脈硬化が進むと大動脈が硬くなり、上の血圧が上がります。
高齢者で多いパターンです。
若い人は大動脈が柔らかいので、収縮期血圧が上がりにくいと考えられます。
下の血圧には末梢血管抵抗が影響しています。
末梢血管抵抗とは、手足などでの血液の流れにくさの事です。
血管が縮こまっていると循環が悪くなり、末梢血管抵抗が上がります。
また、末梢血管が柔らかいほど血液を押し返す力が強くなり、拡張期血圧は上がります。
若年者では下の血圧が上がりやすく、高齢者では下の血圧が下がります。
下の血圧が下がりすぎると心臓に向かう血液が減少するので、注意が必要です。
血液の量は上下両方の血圧に影響します。
つまり、塩分を摂りすぎると収縮期、拡張期ともに血圧が上がることになります。

 

世界的にみて、日本は食塩の摂取量が多い国です。
世界保健機関(WHO)は1日の塩分摂取量を5.0g未満にするように推奨していますが、日本人の平均摂取量は1日10gです。
日本としては、せめて1日8gにすることを目標としています。
高血圧の人は1日6g未満を目指しましょう。

 

では、病院では高血圧でも自宅では正常血圧の人は問題なのでしょうか?
このような高血圧を白衣高血圧と呼びます。
通常の高血圧と比較すると問題となるリスクは低いのですが、全く正常の人と比較すると高リスクです。
慎重に経過を見る必要があります。

 

逆に、病院では正常血圧でも自宅では高血圧になる人がいます。
このような高血圧を仮面高血圧と呼びます。
通常の高血圧と同程度のリスクがあるとされていますので、高血圧としての治療が必要です。